遊郭花街カフェー > 奈良・木辻遊廓に関する娼妓契約関係文書一括
429,000円
■著者名: ■出版元: ■刊行年:明治33年〜43年頃 ■サイズ: ■状態:経年の古色は見られるものの、おおむね良好な状態。 ■内容:本資料は、奈良・木辻遊廓における娼妓契約書を中心とした文書である。 資料の中核をなすのは、金銭貸借契約証書正式謄本と娼妓契約書が一綴となった書類綴15点(明治34〜40年)で、封筒付きのものと、封筒のないものが混在する。 これに類するものとして、娼妓特約証、副契約証、借用金証、娼妓契約書がまとめて封筒に入ったもの(明治33年)や、副契約証と借用金証のみが封筒に入ったもの(同年)があり、さらに金銭貸借契約証書正式謄本・娼妓稼業契約証書・手数料計算書(明治43年)を封筒に収めたものが含まれている。 別にまとまった資料としては、谷川喜六宛の別紙差入申約定証35枚(明治36〜42年)がある。これは一枚刷の書類である。谷川喜六については後述する。 それ以外は、谷川喜六が関与したと見られる裁判関係資料が約40点あり、有体動産差押調書、強制執行停止申請、委任状、証拠物写、判決正本、欠席判決正本、印鑑証明願、口上書、期日呼出状、競売関係書類などが確認できる。 谷川喜六は、明治20年代には奈良・北風呂町で酒造業を営んでいることが、『日本全国商工人名録』や『大日本紳士鑑』などで確認できる。大正期の『帝国信用録』では「酒造貸金」と記され、貸家業にも事業を広げていたらしい。明治26年には東大寺に石碑を建立し、明治27年の大婚二十五年御祝典に際して清酒を献納するなど、奈良の素封家とみなされる存在であった。 注目すべき点として、金銭貸借契約証書正式謄本や娼妓契約書そのものには、谷川喜六の名は一切記されておらず、債務者として登場するのは貸座敷の楼主である。しかし、谷川喜六宛の別紙差入申約定証35枚を通じて、貸座敷の楼主が娼妓への前借金を自前で賄えず、谷川喜六から金を借り入れていた二重の構造が垣間見える。 谷川喜六は貸座敷経営者として表に出る存在ではないが、貸家業を営んでいた点を踏まえると、楼主とは家主と店子の関係にあったとも考えられる。残された裁判関係資料は、この金銭貸借の行く末を探る手がかりともなるかもしれない。 昭和戦前期には森川杜園の蒐集家としても知られた奈良の素封家・谷川喜六が、木辻遊廓の経営者に融資を行っていた側面を伝える点において、本資料は近代遊廓経営の実態と地域資本の関係を考える上で、興味深い文書である。
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